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1月25日(水) こんなトランプ大統領を「信頼できる指導者」だなどと持ち上げた安倍首相の重大責任 [国際]

 2017年も、疾風怒濤の年になるような予感がします。アベ政治は暴走を続けていますが、年を取ったのか、最近では「逆走」も目立ちます。

 昨日は、国会での答弁で「訂正云々(うんぬん)」と言うべきところを、「訂正でんでん」と答えてしまいました。「云々」と「伝々」を間違えたのでしょうが、これも年齢のせいかな。
 それにしても、「云々(うんぬん)」なら分かりますが、「伝々(でんでん)」では意味が通じませんし、そんな日本語はありません。安倍首相は自分で読んでいる文の意味が分かっていたのでしょうか。
 安倍首相にしてもトランプ大統領にしても、「逆走」を早くストップさせないと大きな事故につながりかねませんが、その前に「自滅」する可能性が高まっています。安倍さんに立ちはだかる最初の壁は「トランプ・リスク」であり、トランプさんに立ちはだかるのは自らの「バカの壁」ではないでしょうか。

 「トランプ政権への期待」という見出しが目を引きました。『朝日新聞』1月24日付に掲載された映画監督であるオリバー・ストーンさんのインタビュー記事です。
 トランプ大統領を評価するかのようなストーン監督の発言が注目を浴びました。これまで政権批判の映画を撮り続けてきたのに、「トランプ大統領もあながち悪くない」という評価が違和感を持って受け取られたからです。
 しかし、それは「介入主義を捨て戦争への道を避ける」という点での「プラスの変化を起こせるように応援しようじゃありませんか」というものです。トランプ大統領の全てを認めて応援しようというわけではありません。

 トランプ大統領は就任演説で「すべての国が自国の利益を第一に考える権利がある。我々は自分たちの生活様式を他人に押し付けない」と述べています。この発言が「自分たちの背活様式」であったこれまでのアメリカの覇権主義と介入主義を見なおすということであれば、それは悪くないというのは当然です。
 戦後のアメリカは、ベトナムやイラク、アフリカや中東、中南米諸国に軍事介入してきました。よく「世界の警察官」と言われますが、実態は「世界の暴力団」のようなもので、その過ちを是正して戦争への道を避けるというのであれば間違いではありません。
 これについてストーン監督も、「米軍を撤退させて介入主義が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいこと」だとし、「米国は世界をコントロールしたがり、他国の主権を認めたがらず、多くの国家を転覆させてきました。そんな情報機関をけなしているトランプ氏に賛成です」と述べていますが、その通りでしょう。

 ただし、すぐ付け加えなければならないのは、このようなトランプ大統領の姿勢を過大に評価することはできないということです。核軍拡を進める意向を示していますし、イスラエル寄りの姿勢を強めて中東の紛争を拡大する危険性もあるからです。
 これまでのアメリカの帝国主義的な外交・安全保障政策を転換するというのであれば評価できます。しかし、そこからどのような方向を、どのようにめざしていくのかという点では楽観できません。
 「自国第一主義」や差別と排外主義による孤立と分断、新自由主義的な規制緩和の拡大などでは問題を解決できないどころか、さらに拡大し混迷を深めるだけでしょう。貧困と格差の拡大からの真の脱出路は右方向への逃走では得られず、矛盾を深めて絶望を生み出すことになります。

 それでは、どのような脱出路があるのでしょうか、どうすれば良いのでしょうか。
 このような問いへの回答の一つが『朝日新聞』1月25日付に掲載された「ピケティコラム」での指摘です。フランス大統領選挙について、ピケティさんは「マリーヌ・ルペン氏が率いる右派ナショナリストが勝利に近づいている可能性も排除できない」としつつ、「かたや急進左派は、ジャンリュック・メランション氏の勝利が期待されているが、悲しいかなありそうにない」と述べていますが、それでも次のように指摘しています。
 「この難題に的確な解決策を構築するには、国際主義的なポピュリスト勢力――スペインの左派新党ポデモス、ギリシャの急進左翼進歩連合シリザ、サンダース氏やメランション氏のような急進左派――を頼りとするしかない。さもないとナショナリズムと排外主義のうねりにさらわれかねない。」

 このような「ナショナリズムと排外主義のうねり」を阻むうえで、メディアの役割は決定的ともいえる重要性を持っています。この点で、『毎日新聞』1月25日付に掲載された「時論フォーラム」の森健「[トランプ大統領誕生]ネットのうそ、メディアの役割」は示唆的な論攷です。
 ジャーナリストの森さんは、既存メデイアとインターネット、権力者との関係について考察し、結論的に次のように指摘しています。
 「SNSという似た考えの人たちの環境の中で主張を強めつつ、不都合な事実や気に入らない報道は認めない。そして、言いたいことはネットで一方的に発信する。トランプ政権の社会では、報道はいかに考えの異なる人たちに届かせるかが課題になってくるだろう。」

 この部分を読んで、まるで通常国会の代表質問に臨んだ安倍首相について書かれた文章のようだと感じたのは、私だけではないでしょう。この文章の一部を入れ替えれば、次のようになります。
 「日本会議という似た考えの人たちの環境の中で主張を強めつつ、不都合な事実や気に入らない報道は認めない。そして、言いたいことは答弁で一方的に発信する。安倍政権の社会では、報道はいかに考えの異なる人たちに届かせるかが課題になってくるだろう」
 先の文章に続けて、森さんは「顧みて、日本。かの地の課題はけっして遠い話ではないだろう」と書いています。その通りですが、実際には「遠い」どころか、すでに安倍さんはトランプさんの先を言っているのではないでしょうか。

 トランプ大統領はTPPからの永久離脱を表明しました。NAFTAの再交渉を行おうとしており、日本の自動車の対米輸出について根拠のない攻撃も行っています。
 安倍首相の成長戦略や自動車産業など輸出企業にとっては大問題です。安倍首相はこれからトランプさんを説得するとか説明するとか言っていますが、ちょっと待ってください。
 安倍さんはもうすでにトランプさんに会っているではありませんか。せっかく世界に先駆けて大統領になる前のトランプさんに会ったのに、その場で一体何を話し合ったというのでしょうか。

 まさか、高額のクラブを贈ってゴルフ談義で終始したなどということはないでしょうね。日本に関してだけでも、これだけトンデモない政策や発言を連発するトランプさんを「信頼できる指導者」だなどと持ち上げてしまった安倍首相の責任は極めて重大だと言うべきでしょう。

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