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1月22日(日) トランプをめくっても「ハートのエース」は出てこなかった [国際]

 世界が悲鳴を上げていると言っても良いでしょう。確実なことは、不確実性が高まり、この先どうなるのかが見通せないということです。

 注目されていたトランプ米新大統領の就任演説でした。選挙中に過激発言を繰り返した「悪いトランプ」ではなく、当選直後に融和を呼びかけたような「良いトランプ」が顔を出すのではないかと期待されていました。
 しかし、トランプをめくってみても「ハートのエース」は出てきませんでした。やはり顔を出したのは「ジョーカー」だったようです。
 ジョーカーと言えば、映画バットマン」の悪役でした。大統領就任式に登場したのは、「バットマン」ならぬ「バッドマン」だったのです。

 アメリカドナルド・トランプ新大統領は20日正午ごろ、連邦議会議事堂前で就任宣誓し、第45代大統領に就任しました。この場所は私も訪れたことがありますが、それは2001年のブッシュ大統領就任式の前、2001年1月1日のことでした。
 実業家出身のトランプさんは政治や行政経験、軍歴のない米国史上初の大統領で、1期目としては最高齢での就任になります。共和党は8年ぶりの政権奪還で、任期は2021年までの4年間ですが、果たしてこの任期を全うできるのでしょうか。
 「アメリカ第1主義」を掲げてこれまでの政治からの大転換を目指し、超大国アメリカのかじとりを担うことになりますが、その前途には暗雲が漂っています。トランプ大統領の就任に反対する全米での抗議デモには数百万人が参加するなど、分断と不安がアメリカ社会を覆い、切り裂くような形になっているのですから。

 トランプ新政権の政策は、選挙中での公約をほぼ踏襲するものになっています。この点でも、「良いトランプ」に変わるのではないかという期待は真っ向から裏切られてしまいました。
 就任演説では、通商政策を大きく転換して自由貿易から貿易や税制などあらゆる分野でアメリカの利益を最優先し、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を宣言しました。大統領令では、医療保険制度改革(オバマケア)の見直しを指示しています。
 また、「イスラム過激派によるテロを地球上から根絶させる」と約束し、積極的に軍事行動をとることも表明しました。「私たちは国境を守らなければならない」と呼びかけ、メキシコ国境への壁建設を伴う不法移民対策に乗り出す構えです。

 まるで、これまでの世界秩序を脅かす「怪物」の登場のようなものです。この「怪物」を「信頼できる指導者」だと請合ったのが安倍首相でした。
 通常国会冒頭の施政方針演説で、TPPを「今後の経済連携の礎」と位置付けた安倍首相ですが、その直後にトランプ新大統領によって真っ向から否定される結果になりました。いかに人を見る目がなかったか、ということでしょう。
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