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9月5日(月) 民進党の代表選挙と野党共闘への対応をどう見るか [政党]

 民進党の代表選挙が告示され、蓮舫代表代行(48)、前原誠司元外相(54)、玉木雄一郎国対副委員長(47)の3人が立候補しました。15日に投開票が行われますが、今のところ蓮舫さんが有力なようです。
 候補者同士の討論会や街頭演説、インタビューなどがなされており、それぞれのスタンスの違いなども明らかになってきています。もちろん、同じ政党の代表を選ぶ選挙ですから全く違うわけではありませんが、最も注目されるのは共産党など野党との共闘への対応でしょう。

 野党共闘については、3人とも一定の評価をしたうえでの違いがあります。限定付きとはいえ評価しているのは参院選での効果を否定できないからで、前原さんでさえ「参院選での選挙共闘は一定の結果があった」ことを認めています。
 共闘したから負けたというのではなく勝ったわけですから、真っ向から否定するわけにいかないのは当然でしょう。執行部にいて共闘を推進した蓮舫さんはもとより、前原さんも「岡田路線はリセットすべきだ」と言っていますが、そのうえで共闘しないとは言っていませんし、玉木さんも選挙区の事情によっては共闘することを否定していません。
 問題は衆院選での共闘とその後の政権で共産党と連立するかという点にあります。この点では、蓮舫さんは「衆院選で綱領や政策が異なる政党と政権を目指すことはない」と否定し、前原さんや玉木さんも同じようなスタンスです。

 これは理論的にも実践的にも間違っています。理論的に言えば、綱領や政策が異なっているからこそ、一致できる部分に限って行動を統一するという統一戦線論の基本が理解されていません。
 連合政権にしても同じです。別の政党ですから綱領や政策が異なっているのは当たり前ですが、そのような政党が共通の目標や一致する政策の実現を目指して手を結ぶのが連合政権ではありませんか。
 蓮舫さんのように言ったら単独政権しかあり得ず、世界のどこにでもある連立政権は存在できなくなってしまいます。実際にも、2009年に発足した鳩山連立政権は綱領や政策が異なった民主党・社民党・国民新党によるもので、今の安倍政権だって綱領や政策の異なる自民党と公明党による連立政権ですし、このような連立政権は世界では当たり前のことです。

 「別の政党だから」「政権選択だから」「綱領や政策が違うから」などといって政党間の選挙共闘や政権連合を否定するのは、連合政権の理論についても実態についても無知であることを告白するに等しいものです。「違うのは当たり前」「でも力を合わせなければ勝てない」「だから一致点を探して共闘する」というのが、基本の「キ」なのですから。
 代表選挙に3人も立候補していながら、このような政権連合の基本について誰も理解していないというのは情けない限りです。これが民進党の現状であり、「らしさ」ということなのかもしれませんが。
 念のために付け加えておけば、民進党と共産党など野党との間には政策的な共通点が存在しており、だからこそ参院選での共闘が実現したのです。2月の「5党合意」、選挙前の通常国会に野党共同で提出された15本の法案、6月の市民連合と野党4党との合意、1人区での選挙協定や確認事項などによって積み重ねられた一致点は、政権を共にすることによってこそ実現できるものではありませんか。

 参院選での野党共闘が「共産主導」でやられたのが気に食わないという意見もあるようです。もしそうであるなら、「民進主導」でやったら良いでしょう。
 実際には、「共産主導」というよりも「市民主導」でした。安保法反対運動のなかで市民からあがった「野党は共闘」という声に共産党が応えて国民連合政府を提唱し、共闘成立のために自党の候補を取り下げるという「身を切る」対応を行ったのではありませんか。
 それを「共産主導」というのであれば、民主党が率先して野党共闘を提唱し、そのために自己犠牲もいとわない姿勢を示せばよいのです。そのために先頭に立つという決意とリーダーシップのある人こそ、新しい民進党の代表にふさわしいのではないでしょうか。

 自民党最大派閥の細田派(清和政策研究会)は9月4日、長野県軽井沢町で研修会を開き、会長の細田博之総務会長は民進党が今後も共産党との選挙協力を続けると予想したうえで、前回衆院選の選挙区での得票率が5割未満だった自民党の現職議員は次回当選が困難になると強調し、「漫然と戦ったら大変なことになる」と活を入れたそうです。民進党の代表候補3人の言葉を聞いて、細田さんは「ニンマリ」しているかもしれません。
 また、細田総務会長は埼玉県新座市であった自民党衆院議員の国政報告会であいさつし、「この間の参院選で大都市は別だが、定員1人の県で(共産党の)候補が降りてしまった。民進党と協力するという選挙を始めたんですね。その結果、我が党は大変な苦戦を強いられ、11県で負けた。次の選挙は大変だとわかった。特に若い人、新人は基盤がまだ十分でない。小選挙区では(得票率)5割以上を目指さないといけない。もし、共産党と民進党が協力し、(統一候補を)擁立した場合、非常に危ない。我が党は簡単に解散・総選挙をするよりは、候補者たちが頑張って、次の選挙で堂々たる勝利をおさめてもらってこそ安定政権が維持できる」とはっぱをかけています。これほどの危機感を生み出した野党共闘を、「衆院選だから」ということでやめようというのでしょうか。
 『東京新聞』による民進党都道府県連幹部への聞き取り調査では、次期衆院選での野党共闘について22都道県が継続を求め、やめるべきだとした9府県を大きく上回ったそうですから、地方では共闘の必要性が良く分かっているということでしょう。実際、2014年の前回衆院選の結果をもとにした同紙の試算では、野党4党側の勝利は前回の43選挙区から2.1倍の91選挙区になるとされています(『東京新聞』9月4日付朝刊)から、共闘の効果は歴然としています。

 自民党の細田さんでさえ十分に理解している野党協力の威力を、民進党の代表になろうという人が分かっていないというのでは困ります。このような形で力を合わせる以外に、自民党に勝って「一強多弱」の壁を突き崩せる妙案があるなら示してもらいたいものです。
 これからでも遅くはありません。最有力で代表になる可能性の大きい蓮舫さんには、自ら先頭に立って野党共闘を引っ張る決意を示していただきたいと思います。それ以外に、アベ暴走政治をストップさせ、政権交代を実現して新しい連立政権を樹立する展望は開けてこないのですから。

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