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8月7日(日) 参議院選挙の結果と政治変革の展望(その2) [論攷]

〔以下の論攷は『東京革新懇ニュース』7・8月合併号、2016年8月5日付、に掲載されたものです。2回に分けてアップします。〕

 新たな希望としての野党共闘

 このような自民党や改憲勢力の圧勝を阻んだのは、市民と野党共闘の力でした。このような対抗措置を講じなかったら、野党の惨敗は避けられなかったでしょう。自民党が前回から議席を減らしたのは1人区で29勝2敗から21勝11敗となって8議席を失ったからです。
 昨年の安保法(戦争法)反対運動の中で「野党は共闘」という声が沸き上がり、これに応える形で共産党が「国民連合政府」を提唱し、これを契機に野党間での選挙協力の話し合いが進んで2月19日に5党合意が成立しました。これが歴史的な画期となりました。
 この後、共産党は1人区での予定候補を取り下げて比例代表に回すなどの大胆な対応を行いました。このような決断がなければ野党共闘は幻に終わっていたでしょう。それを生み出したのは戦争法廃止を求める2000万署名に結集された市民の力であり、野党が手を取り合って与党に対抗することを求めた市民の声でした。
 こうして全国32の全ての1人区で選挙共闘が成立し、11選挙区で勝利することができました。とりわけ、秋田を除く東北甲信越での当選が光りました。当選には至りませんでしたが、愛媛長崎岡山、滋賀などでは比例代表での各党の得票合計を3割から7割近くも増やして接戦に持ち込んでいます。
 野党共闘については、その効果を疑問視する声や限界を指摘する論調もあります。しかし、共闘によって当選者や接戦が増えたことは事実であり、選挙への関心が高まって26の1人区では前回より投票率が上昇しました。その効果が上がって脅威となりつつあるからこそ、それを阻んで瓦解させようとする攻撃も強まっているのではないでしょうか。

 野党の前進と東京の成果

 民進党は改選議席を減らしたとはいえ、前回の17議席からほぼ倍増して32議席を獲得しました。一時のどん底を脱したと言えるでしょう。野党共闘を受け入れて中心的な役割を果たしたことがイメージの転換に役立ち、一定の支持回復につながったのだと思います。
 共産党も改選3議席を倍増して6議席を獲得するなど躍進しました。比例代表での得票数も601万票を超え、史上2番目となりました。野党共闘の推進力として積極的な役割を演じたことが評価されたわけです。しかし、事前の予測や前回の8議席を下回りました。
 これについては、自衛隊についての藤野前政策委員会責任者の失言、執拗に繰り返された反共攻撃、北朝鮮の核実験やミサイル発射、尖閣諸島や南シナ海周辺での中国の不穏な動きなどが、その要因として考えられます。このような不利な状況の下でも確実に前進できる地力を蓄えることが引き続いての課題です。
 このようななかで、東京では大きな成果を上げることができました。定数6のうち、民進党の蓮舫と小川敏夫候補、共産党の山添拓候補の当選を勝ち取り、改憲勢力の過半数獲得を阻止したからです。昨年の「2015年安保闘争」における都内各地での市民運動の盛り上がり、革新懇の活躍や共同の進展などを、その要因として挙げることができます。

 これからの展望と課題

 参院選後の新しい国会で、改憲に向けての攻勢は強まるにちがいありません。しかし、一瀉千里に進むという状況でもありません。戦争法の発動と既成事実化に反対しながら、改憲に向けた策動の一つ一つを見逃すことなく阻んでいくことが重要です。「審議くらいなら」「条項の追加程度なら」と油断していると、そこに付け込んでくるのが安倍首相の「やり口」ですから、警戒を怠ってはなりません。
 同時に、都知事選のような今後の首長選挙、衆院補選など各種の選挙でも野党共闘を追求し、勝利していくことが重要です。その一つ一つを来るべき衆院選での野党共闘の実現と勝利に結びつけていかなければなりません。
 野党共闘は今後の国会共闘や論戦にも生かされる必要があります。通常国会で共同提出した法案や選挙に当たっての協定などを基に政策合意の幅を広げ、安保・自衛隊・税制・エネルギーなどの基本政策に関する合意も追求してもらいたいと思います。
 これは野党共闘によって樹立されるべき新政権に向けての政策的準備という意味も持ちます。その際大切なのは希望を語ることであり、アベ政治を許さず暴走をストップさせた後に実現するべき明るくポジティブな未来像を提示することです。
 本気になって新しい政権の準備を始め、夢と希望を語ることによって野党の魅力を高めるのが課題です。それを実現可能なものとして具体的に提示すれば、政治を変えることができます。政治変革の展望を切り開く可能性とそこに向けての進路を見つけることができたところに、今回の参院選の最大の意義と成果があったと言えるのではないでしょうか。

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