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5月27日(金) 「激突の時代」における「最終決戦」が訪れようとしている [参院選]

 かつて故品川正治さんは、『激突の時代』という本を出されました。品川さんは元日本興和損保の社長で経済同友会の終身幹事も務められた財界人ですが、最晩年まで精力的に「九条の会」で活動され、「平和・民主・革新の日本をめざす全国の会」(全国革新懇)の代表世話人の一人でもありました。
 実は、かく言う私も、先日の総会で全国革新懇の代表世話人に選出されました。品川さんの後輩となったわけで、その遺志を引き継いでいきたいと思っています。

 この品川さんの本の書名にある「激突」とは、「人間の眼対国家の眼」の激突のことです。「人間の眼」というのは「弱者・被支配者の立場」ということであり、「国家の眼」というのは「強者・支配者の立場」ということでしょう。
 今日、このような「激突」は新たな様相を呈し、新しい段階にさしかかっているように思われます。それは、戦争法と憲法をめぐっての激突です。
 具体的には、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と日本会議との激突、その日本会議などの「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が推進している1000万人署名運動と「総がかり行動実行委員会」が中心になって進めている2000万人署名運動との激突、来るべき夏の選挙での自公対野党共闘との激突です。このような激突が象徴的に表現されているのが参院選での1人区のたたかいであり、それは衆院選での選挙区にまで波及しようとしています。

 それが「最終決戦」だというのはどうしてなのでしょうか。これまで繰り返されてきた「決戦」に、いよいよ決着が付けられる可能性が出てきたからです。
 すでに5月17日付のブログ「自民党周辺でおびえをともなってささやかれている『9年目のジンクス』」で書いたように、これまで自民党は参院選で3回、衆院選で1回、計4回も手痛い敗北という懲罰を受けてきました。参院選では、89年、98年、07年と9年ごとに選挙での大敗と首相辞任が繰り返され、これは「9年目のジンクス」として知られています。
 衆院選では09年選挙での惨敗があり、それは政権交代に結びつきました。しかし残念ながら、これらの決戦と懲罰は一時的なものにとどまったために自民党の息の根を止めることができず、その復活を許してきました。

 したがって、これらは事実上の決戦としてたたかわれていたにもかかわらず、自民党政治の根本的な転換には結びつきませんでした。だからこそ、このような結果が繰り返されてきたのです。
 このような循環の構造が形成され、それが打ち破れなかったのは、自民党の息の根を止める展望と自民党政治からの脱出路が見いだせなかったからです。別の言い方をすれば、自民党は失敗を繰り返して統治能力を枯渇させてきたにもかかわらず、それに代わる「政権の受け皿」が未熟で国民の期待を十分に受け止められなかったからです。
 しかし、いまやこの欠陥は克服されつつあり、共産党を含む野党共闘という新しい選択肢と「政権の受け皿」が登場しました。かくして自民党政治に対する懲罰と復活という循環の構造が打破される展望が生じ、今度の決戦は「最終」になる可能性が生まれたのです。

 とはいえ、今の時点では、それは可能性にとどまっています。実際に「最終」となるかどうかは分かりません。
 そのためには、まだいくつかの条件があるからです。それは、自民党政治の復活を許さず、息の根を止めるための条件になります。
 その前提は参院選での野党共闘の勝利ですが、同時にそれを衆院での与野党逆転と政権交代、新たな民主的連合政権の樹立に結びつけなければなりません。そのためには、次のような方向での努力が必要です。

 第1に、選挙共闘を選挙以外の分野にも拡大して、自公勢力による分断統治の構造を打ち破ることです。とりわけ重要なのは労働戦線や原水禁運動の分野であり、ここでの共同の推進と統一の回復に力を入れていただきたいと思います。
 労働戦線の分野では、連合・全労連・全労協という3つの労働組合全国組織が鼎立しています。これらの異なる潮流の間でも戦争法反対闘争での一定の協力が生まれ、メーデー中央集会では全労連と全労協がエールを交換しあい、鹿児島では県連合の事務局長が参院選の共同候補に、県労連の事務局長が県知事選の統一候補になり、労働法制改悪反対や最低賃金の引き上げなどの課題での共闘の動きもあります。
 歴史的な経過や対立の過去もあって簡単ではないでしょうが、選挙共闘や共同闘争を積み重ねて相互の信頼感を高め、地方や地域での新たな共同の枠組み作りへと発展させていって欲しいものです。原水禁運動においても、この間の脱原発運動や核廃絶運動での実績を踏まえて、原水協と原水禁との統一に向けて動き出していただきたいと思います。

 第2に、様々な運動の担い手を発掘・育成して、次の世代への橋渡しを行うことです。この点でも、戦争法反対闘争の盛り上がりと若者の参加という新たな希望が生まれてきました。
 戦争法に反対する闘争では大学生などの「自由と民主主義のための学生緊急行動」SEALDs(Students Emergency Action for Liberal Democracy - s)が注目され大きな役割を果たしましたが、それより下の世代の高校生たちがグループ「T-ns SOWL(ティーンズソウル)」を結成しています。また、労働分野でも最低賃金を1500円以上にするよう要求する「AEQUITAS(エキタス)」(ラテン語で「公平」や「正義」を意味する)という団体が登場しました。
 これらの動きは、層としての青年運動や学生運動、高校生運動という広がりを持たず、青年や学生の運動、高校生の運動にとどまっていますが、このような主体が登場して運動に加わってきたことは注目されます。18歳選挙権の導入も青年・学生が政治に関心を持ったり社会問題に関わったりする大きなチャンスを提供することになるでしょうし、その条件を生かして新たな運動の担い手をリクルートすることを意識的に追求する必要があります。

 第3に、参院選1人区での選挙共闘を衆院選の小選挙区にまで拡大することです。これまで佐賀を除く31の1人区で共闘が実現し、その中には香川での共産党候補での共闘という重要な経験も生まれました。
 これをさらに発展させて衆院小選挙区でも共闘を実現し、野党4党の党首合意の実現を図らなければなりません。その際、民進党候補だけでなく共産党や社民党、生活の党などの候補者も対象とし、得票率に応じたバーターによって共同候補を決定すべきです。
 衆院での与野党逆転は直ちに政権交代に結びつき、新しい内閣の構成が問題になります。通常国会では野党によって戦争法の廃止など13本の法案が提出され、新政権が取り組み実現するべき政策課題が明らかになりつつありますが、これに加えて野党4党の共闘を部分的一時的なものにとどめず全面的で持続的な統一戦線の結成に結び付け、新しい民主的な連合政権の基盤を強固なものにしなければなりません。

 このような新政権の樹立に向けて「勝つためには何でもする」ことが必要です。「勝つ」とは何でしょうか。国民の願いが実現する国民のための政治を取り戻すことです。
 誰に勝つのでしょうか。自公に対してだけでなく、それを支えている右翼的な勢力、日本会議に勝つこと、つまり、その基盤になっている社会の意識や構造の転換を図ることです。
 これこそが、本来あるべき「革命」なのではないでしょうか。参院選での勝利はその出発点にすぎません。

 戦争法反対闘争のなかで、新しい変革主体としての「市民」が登場してきました。これが新たな市民革命の始まりを意味するものであったと、私は思います。
 それを一時的で部分的なものにとどめず、持続的で幅広いものとして政治変革へと結び付けていくことが必要です。そのために何ができるのか、どうするべきなのかが、私たち1人1人に問われているのではないでしょうか。

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