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4月19日(土) すべての間違いは「日本を取り戻す」という誤った目標を掲げたところから始まった [自民党]

 「日本を取り戻す」というのが、一昨年の総選挙での自民党のスローガンでした。それは、安倍首相の目標でもあります。

 「取り戻す」と言うからには、以前の日本のことでしょう。これから作るとか、生み出すというのではないのですから……。
 過去に存在していなければ、「取り戻す」ことは不可能です。「取り戻す」対象は将来の日本ではないのです。
 つまり、安倍首相にとって目指すべき目標は過去であって、未来ではありません。その政治が後ろ向きの時代錯誤となるのは、ここからきています。

 「取り戻す」目標とされるからには、善きものでなければなりません。悪しきものであれば、「取り戻す」のではなく捨て去るべきでしょうから……。
 しかし、過去の日本は必ずしも善きものではありませんでした。というより、戦後の日本は戦前・戦中の日本を否定し、そこからの転換を目指して再出発しました。
 これが「戦後レジーム」であり、戦後の政治や社会の基本的な枠組みとなったものです。安倍首相は第1次内閣で「戦後レジーム」からの脱却を目指し、第2次内閣でそれ以前の「日本を取り戻す」という目標を掲げたのです。

 このような安倍さんからすれば、戦前・戦中の日本は、「取り戻す」対象としてふさわしい善きモデルでなければなりません。したがって、過去の再評価と美化が生ずるのは必然でしょう。
 そのためには、過去の歴史を改ざんし、それを正当化するための作業が必要になります。悪しき過去を直視して反省しようとする態度は自虐史観であると非難され、侵略戦争と植民地支配の歴史は修正され、正当化されることになります。
 その結果として、周辺諸国との関係を悪化させ、国際社会の信頼を失い、国際的な孤立化を深めているのが、今日の日本の姿です。そのような問題を生み出す根底にあるのが、「日本を取り戻す」という誤った戦略目標にほかなりません。

 今日の日本は、「戦後の国際秩序にそぐわない奇妙なことを言い、やっている特異な国」とみられ始めています。国際社会から後ろ指をさされるような隘路に入り込んでしまった根本的な原因は、「日本を取り戻す」という後ろ向きの目標を掲げた自民党の政権復帰を許したことであり、アナクロニズムに凝り固まった極右の民族主義者たる安倍首相をその先頭に立たせてしまったことにあります。


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