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3月3日(月) 緊張感保ち批判、提言を [労働]

〔以下のインタビュー記事は、『北海道新聞』2014年2月6日付の「JR北海道 再生への視点5 労使関係」として掲載されたものです。〕

 JR北海道で相次いだ事故やトラブル、不祥事については、安全意識を徹底させられず、現場の状況を把握できなかった会社の責任は重い。ただ、労働組合にも問題はなかったのだろうか。
 運転士が自動列車停止装置(ATS)のスイッチを故意に壊した事件では、JRは当初、出勤停止15日という一般常識と比べて軽すぎる社内処分を下した。結果的に運転士は警察に逮捕されたが、会社側が労組側の顔色をうかがって、断固とした対処ができなったのではないか。
 乗務員のアルコール検査の義務化が遅れたのも、JRが、検査導入に難色を示した一部労組に配慮した結果だとすれば、乗客の安全を第一に考えるべき鉄道事業者の対応として疑問を感じる。
 労使関係には対立、協調、癒着の3パターンがある。一般的に労組と会社側は利害が対立するものだが、双方が自立した立場を保って協調することもある。その場合でも、労組は会社の問題点をチェックする役割を担うのが健全な姿だ。
 JR北海道は、加入率約9割のJR北海道労組(JR総連系)と「労使協調路線」を取っているというが、実際は強調の一線を越えてなれ合いを生み、労使の緊張感が薄れてはいなかったか。
 JR北海道には大小四つの労組があり互いに対立している。中でも最大労組のJR北海道労組と、JR北労組(JR連合系)、国労道本、全日本建設交運一般労働組合北海道鉄道本部(建交労北海道鉄道本部)の3労組との対立が根強い。現に所属組合が違うと、仕事の手順を教えなかったり冠婚葬祭に呼ばなかったりする事例があったという。これでは職場の風通しは悪くなり、全社員一丸となって安全を守れるはずがない。
 なぜこうなったのか。さかのぼると1987年の国鉄分割・民営化に行き着く。反対した国労や、建交労の前身組合はJRへの採用で差別された。一方、JR北海道労組の前身組合は会社側に協力し、優遇されたが、労組間の対立を招くことになった。
 JR北海道は存続の危機に立たされた今こそ、すべての労組の意見に耳を傾け、正当な批判や提言を積極的に取り入れるべきだ。労組も過去のしがらみを捨て、会社の再生に力を尽くさなければならない。
 昨年12月、JR発足以来初めて4労組が同一テーブルに着いて会社側と安全について話し合った。これをきっかけに労使と労労の関係を正常化しなければ、再生は不可能だろう。

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