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2月10日(月) 東京都知事選挙の結果について [選挙]

 注目の東京都知事選挙が終わりました。結果は、元厚生労働相の舛添要一候補が、前日本弁護士連合会会長の宇都宮健児候補、元首相の細川護熙候補、元航空幕僚長の田母神俊雄候補を破って初当選しました。

 主要な4候補者の得票数は以下の通りです。

舛添要一  211万2千票
宇都宮健児 98万2千票
細川護熙  95万6千票
田母神俊雄 61万8千票

 ここに見られる特徴と注目点を簡単に指摘すれば、第1に、当初の予想通り、舛添さんが200万票を超えて当選したこと、第2に、それに次ぐ得票を宇都宮さんが獲得して2位になったこと、第3に、反原発候補の得票合計は舛添さんに及ばなかったものの肉薄しており、宇都宮さんに「一本化」していれば結果は微妙だったかもしれないこと、第4に、最も安倍首相の立場と信念に近いと見られていた田母神さんは敗北していることなどです。
 特に、脱原発方針では共通していた宇都宮さんと細川さんのうち、細川さんではなく宇都宮さんが2番目になったことは大いに注目されます。実際には、細川さんよりも宇都宮さんの方が当選可能性が高かったということを示しているからです。
 脱原発候補の「一本化」という動きがありましたが、それが細川さんの優位を前提にし、宇都宮さんには支持の広がりも当選可能性もないとしていたのは、完全な間違いでした。このような間違いが生じたのは、細川・小泉両元首相の知名度と影響力に対する過大評価やマスコミの影響を受けた「風頼み」の選挙観があったからではないでしょうか。

 以上の選挙結果を踏まえて、いくつかの指摘を行っておきたいと思います。

 第1に、この結果によって原発再稼働をめざす安倍内閣の施策や安倍首相の政治姿勢が信任されたとは言えないということです。安倍首相や石破幹事長はそのような牽強付会を行うでしょうが、それは間違っています。
 都知事選はあくまでも東京都の都政を担当するリーダーを選ぶものであり、問われるのは都政に対する政策です。この点では、脱原発政策だけを争点に掲げた細川候補の姿勢も、舛添さんが当選すれば安倍内閣を支持したことになると危機感を煽ったその支持者たちも、都知事選の位置づけと選挙結果の意味を過大に評価し、誤った捉え方をしていたということになります。
 したがって、今回の結果は脱原発方針に対する都民の拒絶を意味しているわけではありません。当選した舛添候補も原発の推進ではなく、段階的にではあれ原発依存を減らす方針を掲げていたということを忘れないようにしたいものです。

 第2に、宇都宮候補の得票が細川候補の得票を上回って2位となったことの意味をきちんと総括するべきだということです。今回の最大の特徴は、脱原発という点で似通った方針を掲げた候補が2人出て、その「一本化」が働きかけられたという点にあります。ただし、宇都宮さんではなく、細川さんへの「一本化」が……。
 このような働きかけがどのようになされ、両陣営はどう対応し、どのような問題点や弱点があったのかなどについては、今後、きちんとした総括が必要でしょう。特に、その中心となって働きかけてきた「脱原発都知事を実現する会」には、事実を踏まえた誠実な総括を求めたいものです。
 さしあたり、候補の「一本化」に当たって当選可能性だけを問題にしていたこと、宇都宮さんには当選の可能性はないと判断していたこと、そのために一方的に宇都宮さんに辞退を迫ったこと、その過程で、宇都宮さんとその支持者に対する誹謗や中傷が少なくなかったことなどが反省されなければならないでしょう。同時に、このような動きは客観的には宇都宮さんの足を引っ張る役割を果たしましたが、それにもかかわらず、宇都宮さんの得票が細川さんの得票を上回ったという事実を直視していただきたいものです。

 第3に、舛添さんが当選したからといって、「全て終わりだ」などと考える必要はないということです。「もう後はない」とか「脱原発運動は敗北だ」「中国との戦争が始まる」などという極論もありましたが、このような危機アジリや謬論に惑わされてはなりません。
 舛添さんの勝因は、自民党都連や公明党に加えて労働組合の連合まで支持に回るなど万全な組織選挙を展開したこと、都政全般に対する政策を示し本来は国政の問題である単一争点を掲げた候補者に疑問を感じている都民にアピールしたこと(これは宇都宮さんも同様)、テレビキャスターや元厚労相という経歴から来る知名度や漠然とした信頼感があったことなどだと思われます。同時に、自民党を飛び出して「新党改革」を作ったという過去も、マイナスではなくプラスになった可能性があります。舛添さんなら一定の距離を置いて安倍首相の言うとおりにはならないかもしれないという根拠のない期待感があったのではないでしょうか。
 舛添さんは東京の魅力を高めて世界一の都市にするという公約を掲げ、当選インタビューでも「必要なことは安倍首相にも言っていく」と明言していました。この公約や発言をきちんと守り、福祉を充実させて世界のトップ水準にすること、再生可能エネルギーの充実に努めること、国際スタンダードを踏み外して日本を孤立させるような「トンデモ発言」を批判することなどに務めていただきたいものです。

 第4に、宇都宮・細川両陣営の問題があります。「一本化」騒動で生じた脱原発陣営の亀裂と不信感を早急に克服して運動を立て直さなければなりません。
 すでに、両陣営では「選挙結果にかかわらず、両候補の胸襟を開いての懇談の場を設けることも両選対の間で合意され」ているようです。私も、2月7日のブログで「選挙がどのような結果になろうとも、この『回答書』にあるように、将来に禍根を残さず、再稼働に反対して原発ゼロを実現する運動など、一致できる課題で手を取り合うことを望みたいものです」と書きました。
 選挙結果がどうあれ、脱原発が実現するまで運動は継続されなければなりません。今回の選挙で宇都宮・細川両候補の得票数が舛添候補に肉薄したという事実に確信を持ち、さらなる脱原発運動の発展を望みたいものです。

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