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2月5日(木) この人まで、こんなことを言い出した [新自由主義]

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 拙著『労働再規制-反転の構図を読みとく』(ちくま新書)刊行中。240頁、本体740円+税。
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 この人まで、こんなことを言い出しました。中曽根康弘元首相の発言です。

 小泉純一郎内閣時代の「自由放任」「小さな政府」「規制解除」といった米国流のやり方を是正すべき時期に来た。麻生首相が小泉流を是正する方向に動いていることを支持する。……米国流の資本主義が唯一ではない。市場原理は基本線だが、世界は多元的哲学で動いている。

 これは、『毎日新聞』2月5日付の「危機を解く」欄に掲載されています。「『日本の好機』自覚せよ」と題された中曽根元首相の発言の一部です。
 さすが、「風見鶏」と呼ばれただけのことはあります。「風向き」の変化への適応能力はまだ残っていると言うべきでしょうか。
 ということは、中曽根さんですら、「風」の向きが変わったということに気がついたということになります。小泉内閣時代の「米国流のやり方」はもう通用しないということを……。

 しかし、中曽根さんは、このような「米国流のやり方」を日本政治に導入したことに対して責任はないのでしょうか。「小泉流」の元祖は、中曽根さん自身だったのではありませんか。
 レーガノミックスやサッチャーリズムと足並みをそろえ、「臨調・行革路線」を打ち出して「国鉄民営化などを手がけ」、「米国流のやり方」を日本に導入しようとしたのは、中曽根首相自身だったではありませんか。
 そのための大きな水路となったのが、「ロン=ヤス関係」でした。もう90歳だそうですから記憶は薄れているかもしれませんが、しかし、「忘れた」とは言わせませんよ。

 とはいえ、その中曽根さんですら、もはや「米国流」の「市場原理」主義を手放しで弁護できなくなりました。今回の中曽根発言はこのことを明瞭に示しており、注目されます。
 この中曽根発言は、12月30日付のブログ「規制改革会議『第3次答申』と厚労省による批判」で紹介した森喜朗元首相の「反省」と共通するものがあります。森さんは『毎日新聞』12月24日付夕刊の「特集ワイド」のインタビューで、次のように述べていました。

 このごろ、しみじみ思うんだよ。市場原理の経済は良かったのかと。アメリカ式じゃなく、まろやか、おだやかな世界をつくらないと、東洋的な世界をね。負け組にも入れない国民を生み出す政治はどうにか直さなきゃいかん。そのために政治のかたちを変えなきゃいかんと考えているんだよ

 中曽根さんと森さんの発言に共通しているのは、「アメリカ・モデル」に追随して「市場原理」一辺倒になってしまったのは間違っていたという反省です。もう一つの共通点は、それを後押しした自己の責任については何も語っていないということです。
 新自由主義的な政策によって生じた欠陥や過ちを、全て小泉さんに押し付けてしまおうという訳でしょうか。必ずしも、「米国流」に従ったのは「小泉流」だけではなく、また、その小泉さんを陰で支えたのは、一体、誰だったのですか。
 与党政治家の無責任さが、この点に明瞭に示されています。同時に、小泉さんだけを「悪者」にして自らの責任をチャラにしてしまおうという意図も……。

 いずれにしましても、中曽根さんや森さんなどの総理経験者の「反省」は重要です。もはや、「アメリカ流」や「小泉流」は自民党内で主流ではないということを明示しているからです。
 また、自民党町村派は今日の総会で、町村信孝元官房長官を会長に昇格させることを決めました。中川秀直元幹事長は代表世話人を続投しますが、事実上の降格です。
 これらの発言や動きには、新自由主義の黄昏を告げる「晩鐘」の響きがあると言うべきでしょうか。拙著『労働再規制』で読み解いた2006年からの「反転」は、ここまで進んできたことになります。

 なお、一昨日、研究所に『産経新聞』の記者から電話がかかってきました。「かんぽの宿」の一括売却問題と宮内さんについて聞きたいというのです。
 いつ掲載されるか分かりませんが、そのうち記事になるかもしれません。記事になったら、このブログでも紹介させていただきます。

 また、昨日、リクルート社が出している『R25』という雑誌の取材を受けました。非正規切りと再就職の問題について聞きたいというのです。
 このインタビューも、そのうち雑誌に掲載されるでしょう。活字になるようでしたら、このブログでも紹介させていただきます。

 さらに、先日、取材を受けた春闘についてのインタビューが、写真付きで『北海道新聞』2月1日付に掲載されました。これについては、明日、このブログで紹介させていただきます。

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