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1月25日(日) 安易な隘路か困難な活路か-09年春闘をめぐる分岐 [09春闘]

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 拙著『労働再規制-反転の構図を読みとく』(ちくま新書)刊行中。240頁、本体740円+税。
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 一気に繁忙期が訪れてしまいました。おまけに、風邪を引いて調子が良くありません。

 この間、更新が途絶えてご心配いただいた方もおられるかもしれません。上記のような事情ですので、ご了承下さい。
 恐らく、これからの更新回数も減ると思います。仕事が立て込んでいるためですので、ご理解いただければ幸いです。
 来月からは、『日本労働年鑑』の執筆・編集も始まります。間もなく、一年で一番忙しい時期に突入することになります。

 さて、春闘も本番を迎えつつあります。私のところにも、いくつか取材や講演の依頼が来ています。
 先週の金曜日には、『北海道新聞』の取材を受けました。2月1日付の紙面で、「対論」欄に掲載されるようです。
 また、派遣労働の問題についても小論を書きました。今週の『週刊金曜日』(1月30日付)に掲載される予定です。

 今年の春闘は、特に厳しいものになっています。世界同時不況の波が日本にも及び、雇用情勢が極度に悪化しているからです。
 このような中で、経営者団体は意識的に「賃上げか雇用か」という争点設定を図り、そのための世論工作を行ってきました。昨年末からの「派遣切り」「非正規切り」は、ことさら雇用情勢の悪化を印象づけるためのものであったように見えます。
 さらに、最近では、このような雇用調整の動きが正規労働者にまで及んできています。これほど雇用が不安定な状況の下で、「賃上げなどはとんでもない」という主張が、急速に力を持ちはじめてきていることは否定できない事実です。

 労働組合は、もっと前から賃上げに向けて力を尽くすべきだったと思います。特に、連合は、もっと早くベース・アップ要求を復活させるべきだったでしょう。
 連合は戦後最長の景気回復が始まった2002年の春闘から、ベース・アップ要求を掲げることを止めてしまいました。ところが、景気回復によって大企業は過去最高益を更新し続け、昨年の春には過去5年連続での最高益更新という記録を打ち立てていたのです。
 この間、労働者の給与は上がらず、労働分配率は低下し続けてきました。というより、本来、労働者に分配され中小企業に分け与えられるべき利益が大企業によって独り占めにされ、内部留保として蓄積され続けてきたのです。

 もし、昨年の春闘で連合がベース・アップ要求を掲げていれば、もっと大きな賃上げを獲得できたはずです。しかし、連合はそのような取り組みを行いませんでした。
 「追い風」が吹いていたにもかかわらず、「帆」を上げるのをためらってしまったのです。そのために、昨年の春闘での賃上げ率は、厚労省調べで1.87%にすぎませんでした。
 大企業の側は5年連続で最高益を更新していたのに、労働者の側の賃金はわずか2%もアップしなかったのです。その結果、01年から07年にかけて、資本金10億円以上の大企業の付加価値額は82.6兆円から95兆円へと12.4兆円も増大したのに、労働分配率の方は62.9%から51.8%へと11.1ポイントも減少してしまいました。

 今年の春闘での本来的な課題は、労使間に拡大したこのような不平等や不均衡を是正することにあるのです。新自由主義の誤りによって拡大してしまった日本の産業社会の歪みを正すことこそ、春闘が目指すべき最も重要な課題だと言うべきでしょう。
 それは、若者が希望を持てず、結婚もできず、社会の再生産に参加できないような「生きにくい社会」を変え、総人口の減少という「滅亡への道」からの脱出路につながるものでなければなりません。したがって、春闘によって解決されるべき課題は単年度限りのものではなく、今後、長きにわたる中・長期的課題の解決に役立つべきものであり、日本の産業社会のあり方の根本的な転換へと結びついていく必要があります。
 1997年から07年までの過去10年間、一方で、大企業の経常利益は100→192.4、内部留保は100→181.2と約2倍になったのに、一人当たりの民間給与は100→93.6と逆に減少しています。この逆転現象によって生じた格差こそ、日本の産業社会の歪みを象徴的に示すものであり、これを是正することによって、若者が希望を持って働き生きることのできる「生きやすい社会」へと変革(Change )することこそ、09年春闘の主要な課題にほかなりません。

 賃上げを我慢しても、雇用が維持されるとは限らないのです。雇用が維持されても、ワークシェアリングを口実に賃金がカットされれば、上に見たような格差や歪みは、是正されるどころか、ますます拡大してしまいます。
 雇用維持を名分としたワークシェアリングは、低賃金労働者の層を増大させるだけでしょう。新自由主義の下で拡大した日本の産業社会の歪みを正すためには、雇用を維持するだけでなく、労働再規制によって劣悪労働の一掃とセーフティーネットの拡充を実現し、働く人々の賃金を上げることがどうしても必要なのです。
 それは、これまで配分されるべきでありながら大企業内に留め置かれていた労働者側の取り分を取り戻すことを意味しています。本来であれば、過去、6年間の景気回復期に労働者のものとなるべきだった部分を、今、取り返さなければならないのです。

 今年の春闘が厳しい「逆風」の下にあることは、私も否定しません。しかし、だからといって、この間の歪みを放置して賃上げを自粛すれば、問題は先送りされ、事態は悪化するだけでしょう。
 簡単にとりうる手段であっても、問題の解決につながらないばかりか、かえって新たな問題を生み出してしまう場合があります。困難に見えるような手段の方が、かえって問題解決につながる活路を切り開く場合もあります。
 09年春闘についても、そのような分岐が存在しているのではないでしょうか。安易な隘路へと向かうのか、それとも困難な活路を目指すのかという分岐が……。

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by モンクレール (2011-08-24 12:01) 

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