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4月21日(金) あまりにもひどい安倍逆走政権の驕りと独善 [内閣]

 目に余ると言うしかありません。あまりにもひどい安倍政権の逆走ぶりです。
 この間の国会審議などで、閣僚などの暴言や問題発言が相次ぎました。ざっと名前を挙げれば、金田法相、稲田防衛相、今村復興相、鶴保沖縄北方相、山本地方創生相、古屋自民党選対委員長などです。もちろん、安倍首相自身がその筆頭であることは言うまでもありません。

 辞任した政務官も2人います。務台復興政務官と中川経済産業政務官です。
 中川俊直議員は父親の中川秀直議員も女性スキャンダルで辞任しています。議員の椅子を受け継いだだけでなくスキャンダルまで「世襲」したわけで、まったく呆れてしまいます。
 国会審議が止まって、自民党は慌てました。早く離党届を出させようと躍起になっていますが、それで幕引きを図るつもりなのです。

 閣僚でも、辞任すべき候補者が山積です。国会で嘘ばかり言っている稲田防衛相、共謀罪についてまともな答弁ができない金田法相などは、早急に辞任すべきです。
 学芸員を侮辱して、その発言の全てが嘘だったことが判明した山本地方創生相もとっとと辞任するべきでしょう。イギリスの大英博物館について間違った発言をしていたわけですから、日本の名誉を傷つけ泥を塗った「国辱大臣」じゃありませんか。
 こんなにひどい状況になっても、安倍内閣の支持率はそれほど下がっていません。だからこそ、安倍首相はじめ大臣たちは平気で嘘を言ったり誤魔化したり居直ったりしているわけです。

 その理由は色々ありますが、制度的な背景は小選挙区制と内閣人事局の二つです。小選挙区制によって国会議員に対する党幹部の支配力が強化され、内閣人事局によって官僚に対する官邸の統制力が強められました。
 その結果、国会内と役所内での「官邸支配」が成立しました。自民党内でも、キャリア組と言われる高級官僚なども、首相官邸に楯突けなくなったのです。
 これが今話題の「忖度」を生み出す制度的な装置になりました。官邸の思惑を察知して先回りし、その意向を汲んで実現のために汗をかいて点数を稼ごうとする行動スタイルが構造化したために数々の疑惑が生じたというわけです。

 このような「忖度の構造化」に加えて、マスコミに対する恫喝と懐柔、野党の分断と民進党のふがいなさがあります。一部のマスコミは官邸の広報機関に変質し、安倍首相の応援団になってしまいました。
 野党の中でも日本維新の会は、与党よりも民進党を批判することに勢力を費やしています。野党が一致して与党を追及する形になっていないことが、安倍さんをどれだけ助けているか分かりません。
 内閣支持の多くは他の政権よりも良さそうだという消極的なものです。野党が明確な受け皿を提示できていない結果であり、野党第1党である民進党の責任は大きいと言わなければなりません。

 これに加えて、最近の内閣支持率回復の原因として注目すべきは、朝鮮半島危機の高まりです。トランプ米大統領は不人気を挽回する策としてシリア爆撃を敢行し、北朝鮮に対する軍事的圧力を強め、半島危機を煽っています。
 安倍首相も危機をもてあそぶ「瀬戸際外交」を批判することなく、トランプ大統領への支持を表明して日本国民の不安を高めています。もし朝鮮半島で戦争が勃発すれば膨大な死者が生まれ、日本は壊滅的な被害を受けるにちがいありません。
 日本にとって軍事的選択肢はあり得ず、戦争阻止のために命を懸けるべき日本の指導者が危機を利用するなどということは断じて許されません。攻撃される恐れがないアメリカと直接攻撃のリスクが大きい日本との違いを、安倍首相は分かっているのでしょうか。

 アベ暴走政治は、もはや議会制民主主義の破壊や平和への逆行をもたらす「逆走政治」へと変質しつつあります。その危険性はますます高まっているにもかかわらず、日本国民の多くはそのことに気づいていません。
 国民が直面している真の危機は、朝鮮半島にあるのではなく国内にあるのです。その危機を生み出している責任の一端は、安倍首相の暴走を黙認して甘やかしてきた国民の側にもあるということに、そろそろ気づくべきではないでしょうか。

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4月14日(金) 共謀罪法案の審議が抱える3つの弱点と1つの壁 [国会]

 いよいよテロ等防止罪という形で「化粧直し」された共謀罪法案が国会に提出されます。自民党の「オウンゴール」続きで予定されていたスケジュールより大幅に遅れました。
 今日、衆院法務委員会で共謀罪の趣旨説明が行われることになっています。すでに3回も廃案になっていますから、与党からすれば「4度目の正直」を目指したいところでしょうが、その前途には「3つの弱点と1つの壁」が立ちはだかっており、そうは「問屋が卸さない」でしょう。

 3つの弱点のうちの一つは法案自体にあります。政府の説明は嘘ばかりで、全く説得力を持ちません。
 実際に罪を犯さなくても計画して準備したと認められれば、捕まえることが可能です。それを認めるのは取り締まる側で、その取り締まりは思想や内心にまで及び、このような法律を制定すれば近代刑法の基本が崩れ、市民や市民運動までが監視の対象となり、モノ言えぬ世の中、政府にとって邪魔なものを排除することのできる社会が出現することになります。
 組織犯罪防止条約の批准やテロ対策を名目にしていますが、組織犯罪とはマフィアなどの経済犯罪であってテロを対象としているわけではありません。この条約を批准しているからといってテロが防げるわけではなく、批准していない日本はすでに多くのテロ対策のための法律を持っていますから今世紀に入ってテロ事件などは起きていず、オリンピック招致の際に安倍首相が胸を張って言ったように、「東京は世界で最も安全な都市」になっています。

 2つめの弱点は、この法案を担当する法務省の金田法務大臣です。金田法相はこの法案の内容を全く理解していず、すでにこれまでの国会審議で明らかになったように、きちんとした説明をする能力を持っていません。
 金田法相は、まだ法案が出ていないからきちんとした説明ができないのだ、本格的な審議は法案が提出されるまで差し控えて欲しいという趣旨の文書を配ったという「前科」があります。大臣が立法府の審議に注文を付けるのかと批判され、撤回して謝罪しました。
 いよいよ法案が提出されるわけですから、本格的な審議が始まり「まだ法案が出ていないから」と逃げ回ることはできなくなります。この法案をめぐっては与党の「オウンゴール」が目立っていますが、本格的な審議が始まって金田法相にまともな答弁ができるのか、自民党執行部としてはヒヤヒヤものでしょう。

 第3の弱点は、与党の一角を占めている公明党です。公明党は国会に提出する以上は成立に全力を尽くすと言っていますが、内心ではそれほど積極的ではなく、腰が引けています。
 もともと、公明党は前の国会から継続審議中の民法改正案と性犯罪を厳罰化する刑法改正案の審議を優先すべきだという立場でしたから、この法案の優先順位は高くありません。そのために与党間の協議に手間どって閣議決定や国会提出が遅れてきたという経過があります。
 この共謀罪法案は「平成の治安維持法」とも言われていますが、その治安維持法によって公明党の支持団体は大きな被害を受けた過去があります。創価学会の創設者である牧口常三郎初代会長は治安維持法違反と不敬罪で逮捕され、獄中で死亡しました。この苦い過去からすれば、やがては創価学会も監視や取り締まりの対象にされてしまうのではないかとの懸念や危惧はぬぐい切れず、公明党支持者の間にも不安があります。

 以上の3つの弱点を強めているのが、通常国会直後に予定されている都議選という「壁」です。都議選の結果はその後の国政選挙に大きな影響を与えてきており、今回の選挙は「都民ファーストの会」を率いる小池都知事による旋風が巻き起こって大きな注目を集める政治イベントになろうとしています。
 共謀罪の成立を目指している与党にとっても、この選挙への影響は意識せざるを得ません。都議会への進出から政治の舞台に登場してきた公明党にとしては最も重視する選挙であり、「離党ドミノ」が止まらず苦戦が予想されている自民党にとっても死活をかけた選挙戦になることでしょう。
 その選挙の前に共謀罪成立に向けて遮二無二強行突破することは、自滅覚悟の「自爆路線」を選択するのでなければ難しいでしょう。この法案がそれほどの緊急性や必要性があるのかという声は、与党の中からも聞こえてきます。

 外交面でも、北朝鮮をめぐって危機的な状況が高まっています。安倍首相の約束と全く逆に、安保法成立以降も日本周辺の安全保障環境は改善せず、悪化を続けるばかりです。
 トランプ政権の樹立を歓迎していた安倍首相ですが、4月16日には東京で日米経済対話が始まります。2国間交渉の開始によってどのような要求が突き付けられるのか、予断を許しません。
 26日からは安倍首相のロシア訪問も予定されていましたが、シリア空爆への支持表明によって実現が危ぶまれています。行ったとしても、大きな成果は期待できないでしょう。

 内政外交ともに、八方ふさがりの状況が強まっています。アベ政治の「黄昏」が訪れてきているということでしょうか。
 このような閉塞状況の下で始まった共謀罪の国会審議です。その前途は決して容易ではなく、野党が結束して対応し、市民とともに手を携えて反対運動を強めていけば、廃案に追い込むことは十分に可能です。
 「2度あることは3度ある」と言うではありませんか。共謀罪を廃案にして、「3度あることは4度ある」ということを証明したいものです。

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4月11日(火) 朝鮮半島危機の元凶はトランプ米大統領と安倍首相だ [国際]

 シリアに対する違法な「濡れ衣戦争」を仕掛けたトランプ米大統領は、北朝鮮に対しても軍事攻撃を行う構えを見せています。たとえ限定的であったとしても、もし北朝鮮に対する軍事攻撃が実施されれば、韓国や日本に対する報復攻撃は避けられません。
 多大の死傷者や物的被害が出ることは明らかです。この朝鮮半島危機はトランプ米大統領によって引き起こされたものであり、それを制止すべき安倍首相も追随の姿勢を示し、危機の抑止ではなく拡大に手を貸しています。

 シリア攻撃は北朝鮮に対する警告だとして、アメリカは原子力空母カール・ビンソンを西太平洋に派遣しました。現在、過去最大級の米韓合同軍事演習も実施されており、これがいつ「演習」から「実戦」に変わるかわからないという状況です。
 カール・ビンソンは世界最大の空母で、航空機を90機も搭載できます。艦隊を組む他の艦艇と合わせれば、一国の空軍並みの戦力となります。
 このような軍事力の自国周辺へ展開は北朝鮮にとっては大きな脅威となることは明らかです。北朝鮮が主権国家への侵害だと批判するのも当然です。

 これが警告や圧力にとどまるのかが、日本に住む我々にとっての最大の関心事です。一旦、朝鮮半島で戦端が開かれれば、過去の朝鮮戦争とは全く違った展開を示すことになるからです。
 攻撃への報復として、長距離砲がソウルに打ち込まれたり、弾道ミサイルが日本に飛来する事態も十分に考えらます。ソウルは北朝鮮との国境に近く大砲の射程距離に入っており、日本に対してもミサイルが発射されれば防ぐとは不可能です。
 先日実施された弾道ミサイルの発射実験を行ったのは、在日米軍への攻撃を担当する部隊であることが明らかにされています。朝鮮半島危機に対して日本も無関係でいることはできません。

 この危機をどのようにして避けるべきかが問題です。トランプ政権はオバマ政権の戦略的忍耐という政策を転換して、「あらゆる選択肢を考慮に入れる」と表明しています。
 しかし、この「選択肢」に「軍事的手段」はあっても「外交的手段」はありません。新たなオプションとして「戦争」が含まれていますが、「対話」は含まれていないのです。
 北朝鮮の核開発によって同じような北朝鮮攻撃の危機が高まった1994年には、カーター元大統領のピョンヤン訪問によって事態が打開されました。この時の経験を思い出し、アメリカは特使を派遣して北朝鮮との直接対話に乗り出すべきでしょう。

 トランプ大統領のシリア攻撃を支持し北朝鮮に対する恫喝を後押ししている安倍首相は、日本人の生命や安全よりもアメリカに対する追随を優先していると言わなければなりません。日本の最高責任者として許されない無責任な対応です。
 これほどに国民の戦争への不安を高めている責任は、トランプ大統領の強硬な態度とそれを批判することも制止することもなく、唯々諾々と追随している安倍首相にあります。日本に及びつつある危機を直視し、戦争ではなく対話をトランプ大統領に強く求めること以外に日本の安全を確保する道がないということを、安倍首相は分かっているのでしょうか。

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4月9日(日) トランプ米大統領によるシリア空爆の背景と意図 [国際]

 トランプ大統領がまたも暴走(逆走?)しました。シリアに対して巡航ミサイル59発を発射し、うち23発が目標に命中したと言われています。
 攻撃の理由はシリア政府軍が毒ガスを使用したのではないかという疑惑です。毒ガスなど化学兵器の使用は許されず、断固として糾弾しなければなりません。

 テレビでは、子供たちをふくむ市民が犠牲となり、治療を受けている映像が流れました。しかし、この化学兵器がシリア空軍の空爆によって用いられたという証拠は全くありません。
 政府軍は国連監視下で化学兵器の廃棄を進めてきましたから、このような兵器を持っていない可能性が高いと言えます。逆に、このような監視下にないヌスラ戦線(アルカイダ)など、現地を支配していた反政府勢力がこのような兵器を隠し持っていた可能性の方が高いのではないでしょうか。
 その兵器の貯蔵庫が空爆によって破壊され、それが流れ出して周辺の住民が被害を受けた可能性も否定できません。今後、国連の調査などで真相が解明される必要がありますが、一方的に政府軍の仕業と断定した今回のミサイル攻撃は、かつてイラクで始めた時の「濡れ衣戦争」を思い出させるような誤ちの繰り返しにほかなりません。

 トランプ大統領はどうしてこのような強硬手段に出たのでしょうか。その理由は軍産複合体に近い共和党の主流派や好戦的な世論の支持を回復するためだったと思われます。
 このところ、中東諸国からの入国制限は司法の抵抗によって阻まれ、国境の壁を建設するための予算は議会によって認められず、目玉政策であったオバマケアの廃止も断念に追い込まれ、世論の支持率は30%台に落ち込んでしまいました。それを逆転するためのチャンスを狙っていたトランプ大統領にとって、化学兵器の使用を口実にしたシリア攻撃は格好の手段だったということではないでしょうか。
 国連の決議もなく議会の決定もない今回の攻撃への批判もありますが、他方で好戦的な勢力による支持も高まっています。議会承認が遅れていた保守的な最高裁判事の信任は、この攻撃後一挙に決着してしまいました。

 しかし、このような攻撃によってシリア情勢を解決することはできません。ロシアとの対立を深め、アサド政権に対するアメリカの影響力を弱めるだけです。
 かつての、イラクでの「濡れ衣戦争」は泥沼化を深め、イスラム国の前身であるイラクの聖戦アルカイダというモンスターを生み出しました。今回も、シリアへのこれ以上の軍事介入は同様の混乱と泥沼化を引き起こすだけでしょう。
 アメリカはシリア情勢を打開する「出口戦略」を持っていません。今回の攻撃も、国務省の体制が整わず、国家安全保障会議(SNC)からバノンが追い出されるなど安全保障をめぐる体制と政策が未確立な「間隙」を突いたトランプ大統領の「暴走」であったように見えます。

 このようなトランプの「暴走」による「濡れ衣戦争」に対して、安倍首相は直ちに支持を表明しました。これも、かつてのイラクに対する「濡れ衣戦争」への日本の対応を彷彿とさせるような光景です。
 しかし、それがいかに大きな誤りであったかは、すでに歴史によって証明されています。今回も大きな間違いであったことが、いずれ歴史によって証明されるにちがいありません。
 今回のシリア攻撃は北朝鮮に対しても米国単独で攻撃に出る可能性を示して牽制するためのものであったと見られています。日本政府としてはこのような攻撃が北朝鮮に対しても行われないよう、慎重な対応が必要だったのではないでしょうか。

 いずれにしても、シリアへの空爆は「人殺しをやめさせるため」という名目で人殺しを行ったことは明白です。このようなデタラメな論理で武力攻撃を繰り返す愚をいつまで続けるつもりなのでしょうか。
 殺し合いは新たな殺し合いの原因を生み出すだけです。国際政治においてそれにストップをかける役割こそ、この日本が果たさなければならないというのが、憲法の平和主義が命ずるところなのではないでしょうか。

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4月5日(水) 森友学園問題の背後に横たわっている構造的要因と力学 [スキャンダル]

 福島からの「自主避難者」に対して「自己責任」だと言いながら「裁判でも何でもやればいい」と声を荒げる復興相、教育勅語を歴史教育だけでなく道徳教育の教材とすることも可だとする文科相、自衛隊員の危険を顧みず虚偽答弁を繰り返す防衛相、共謀罪についてまともな答弁もできない法務相、これらの大臣を批判することもなく弁護する官房長官。そして、国有地払い下げに関する森友学園問題で疑惑の渦中にある安倍首相夫妻。
 安倍政権の迷走、大臣の驕りと居直り、安倍首相の思い上がりが目に余ると言わなければなりません。どうしてこうなってしまったのでしょうか。

 このような驕りや思い上がりを生み出す背景に、国会と自民党での「一強多弱」状況があります。また、政府・与党に対しても「官邸支配」が行き渡っています。
 立法府でも行政府でも、安倍首相にものが言えない、逆らえない構造が出来上がっているわけです。このような権力構造こそが、権力者の意向を汲んで自ら進んでその実現を図る「全自動“忖度”機」(菅野さん)を作動させてしまったのではないでしょうか。
 このマシンは国会と政府だけでなく地方の行政機関に至るまで、隅々にいきわたっています。それを作動させたものこそ、内閣総理大臣夫人・昭恵さんの関与だったのではないでしょうか。

 このような構造を生み出した第1の要因は小選挙区制です。この選挙制度によって国会と自民党内での「一強多弱」構造が出来上がりました。
 小選挙区制によって第1党は選挙で有利になり、少数政党は不利になります。強いものはますます強くなり、与党は衆院で3分の2以上を占めています。
 参院でも与党は過半数を占めていますから、与党の思い通りの運営が可能です。安倍首相に楯突けば次の選挙で公認されない可能性がありますから自民党内でも異論は生じず、安倍さんなどはやりたい放題で、その意向をおもんぱかり先回りして実現を図ろうとする力学が働くことになります。

 第2の要因は内閣人事局です。これが新設された結果、官僚の人事が一手に握られ、人事を通じての「官邸支配」の構造が出来上がりました。
 官僚にとって最大の関心事はお金ではなく出世です。その能力は、いかに政治家の意向を先取りしてそれを実現できるかという点で推しはかられます。
 政治家の圧力に対して目立たないように応えること、政治家や上司などの意向を推し量って秘かに実現させることが優秀な官僚の条件になります。もちろん、国会などで問題になっても知らぬ存ぜぬで逃げ切り、将来的に報われる可能性があれば多少の泥をかぶることもいとわない力学が働くことになります。

 第3の要因は思想的共鳴です。直接的な利害関係や利益の供与などがなくても、目指す目標や事業の内容などについて思想的に共鳴する部分が大きければ大きいほど、その意図を汲んで便利を図ろうという構図が出来上がります。
 森友学園の小学校設立の申請に対して様々な便宜が図られましたが、それはこの小学校が森友学園という戦前型の愛国教育を目指していたからです。このような小学校の実現を応援したいと思う人々が、陰に陽に籠池前理事長の意向に応えるために汗をかいたということではないでしょうか。
 塚本幼稚園での教育講演会で有名な右派論客がこぞって講演し推薦文をアップしたのも、当初安倍首相が好意的な対応を示したのも、首相夫人の昭恵さんが「名誉校長」を引き受けた(その後辞任)のも、そして真偽が疑問視されている「100万の寄付」(首相夫妻は否定しています)も、おそらくお金の力ではなく思想の力だったと思われます。教育理念や教育内容、教育方針への共鳴があったからこそ、その実現を図るために小学校設立申請や用地の取得などで便宜を図ってやろうという力学が働くことになります。

 このような構造と力学の結果として、森友学園による瑞穂の国記念小学院設立のスピード認可や国有地の格安払い下げという問題が発生したのではないでしょうか。この問題の背後には、政治改革の失敗と巨大与党の誕生、政官関係の歪み、政治の右傾化と教育の戦前回帰という奥深い要因が横たわっていることを見逃してはなりません。


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4月3日(月) 大統領の犯罪を弾劾して逮捕した韓国と首相夫妻の疑惑を究明できない日本 [スキャンダル]

 片や、パククネ大統領を罷免して逮捕した韓国。片や、首相夫人だけでなく首相自身に対しても関与していたのではないかという森友学園についての疑惑を究明できない日本。
 どちらの方がましか。三権分立と民主主義がきちんと機能しているのがどちらの方であるかは明らかでしょう。

 韓国の憲法裁判所はパク大統領の罷免を決定し、検察特別捜査本部は罷免された前大統領を収賄などの容疑で逮捕しました。監獄にぶち込まれてしまったというわけです。
 友人らの国政介入に始まった一連の問題は、初めて現職の大統領が罷免され、直後に逮捕され収監されるという異例の事態に至りました。韓国で大統領経験者が逮捕されたのは3人目になります。
 韓国政府は臨時閣議で大統領選の投開票日を5月9日とすることを決めました。世論調査では最大野党「共に民主党」のムンジェイン前代表がリードしています。現在、予備選が行われており、早ければ今日にも「共に民主党」の候補者が決まる見通しです。

 一方の安倍首相夫人ですが、表立った活動を控えて所在不明となっています。3月27日に国会内で開かれたイベント「全国高校生未来会議」の出席を、発起人でもあったのに直前に取りやめ、4月1日に静岡市で予定していた講演会も中止になるなど相次いでキャンセルしました。
 23日までほぼ毎日投稿していたフェイスブックも、森友学園の籠池前理事長に反論したコメント以来、発信がありません。これまでどんなに批判されても発信してきましたから、更新がないのは使うことを禁じられたのではないかと見られています。
 人前から姿を消した昭恵さんは、どこで何をしているのでしょうか。私邸周辺や公邸では目撃されず、千葉県の宗教団体の施設に身を寄せているという情報が飛び交っています。

 森友学園問題に対する昭恵さんの関与についてはもはや否定することができず、夫人付の官邸職員・谷査恵子さんを犠牲にして逃げ延びようという思惑は完全に失敗しました。谷さんが昭恵夫人の代理で「公務」として籠池泰典理事長からの口利き要請に応じていた事実が次々と明らかになっているからです。
 谷さんは2015年11月に籠池理事長宛にファクスを送っていましたが、これには森友学園の定期借地契約について財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から得た回答などが記載されていました。「陳情を受けて役所に問い合わせる」という典型的な「口利き」です。
 これに対して菅官房長官は「忖度以前のゼロ回答」と答弁しましたが、本当のゼロ回答なら「財務省に問い合わせることはできない」と書いていたはずです。問い合わせても「財務省からは回答がなかった」というのが「ゼロ回答」でしょう。

 しかも、このファクスは首相官邸から発信されていました。谷さんの自宅からではありません。
 それは2015年10月26日付けで籠池さんから谷さんに出した手紙を受けてのものでしたが、そこには「定期借地契約を50年契約にした上で、早く買い取ることができないか」「賃料が高いので半額程度にしてほしい」という趣旨の要望が書かれていました。その後、これらの要求はすべて実現されており、まさに「満額回答」だったのです。
 籠池さんが谷さんにこの手紙を送ることになったのは、「昭恵さんにお電話をいただいた件ですが」「こちらに文書を送ってください」と電話があったからだという証言も出てきました。さらに、谷さん側からも籠池理事長に手紙が送られていたことが明らかになりましたが、このとき谷さんは首相官邸の公用封筒を使い「内閣総理大臣官邸 夫人付 谷査恵子」と明記していたのです。

 これらの事実を突きつけられても、菅官房長官は「谷氏の判断でやったこと」と主張し続けています。何としても昭恵夫人の関与を否定し、守り切ろうということなのでしょう。
 そのためにも、これ以上、余計なことを話したり、発信したりしてほしくないということで、口を閉ざして姿を隠すことになったのでしょう。しかし、このような官邸側の対応は国民のフラストレーションを高めているだけでなく、全責任を押し付けられている谷さんに対する同情を呼び起こし、国家公務員秘書の不満を強めるなど、新たな問題を引き起こしています。
 早く鎮静化させたいと躍起となっている安倍官邸ですが、見え透いた幕引きを図ろうとすればするほど、泥沼に落ち込んでいくにちがいありません。昭恵夫人など関係者の国会での証人喚問は不可欠です。

 もし、それが不可能であるということであれば、韓国と同様に三権分立をきちんと機能させ、検察の力によって真相を解明する以外にありません。それが民主主義というものではないでしょうか。

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4月1日(土) 英国民も米国民も自らの選択がいかに間違っていたかを知るのはこれからだ [国際]

 イギリスアメリカも、アングロサクソンの国です。第2次世界大戦前、イギリスは世界を支配する帝国であり、同様にアメリカは戦後の世界を牛耳る覇権国でした。
 しかし、この二つの国はかつての栄光と支配力を失おうとしています。その道は国民による選択の結果によるものですが、それがいかに間違ったものであったかを思い知るのはこれからのことになるでしょう。

 英国民は国民投票の結果、EUからの離脱を選択しました。先日、メイ首相は正式にEU離脱を通告し、2年間の交渉期間中に合意を目指しています。
 しかし、この合意はイギリスにとって過酷なものとなり、国民は自らの選択に対するツケを払わされるにちがいありません。EU首脳部はイギリスに続いて離脱する国が出ることを警戒していますから、離脱がいかに割に合わないものであるかを示そうとするからです。
 トゥスク欧州理事会常任委員長(EU大統領)が31日、離脱協定と通商協定を並行して協議するを認めないと表明したように、イギリスは大きな譲歩を求められ、それを受け入れなければ交渉はまとまりません。イギリスとの合意を犠牲にしても自らの存続を確実にし結束を固める道をEUが選択することは火を見るよりも明らかです。

 米国民は大統領選挙の結果、共和党のトランプ候補を選択しました。総得票数ではクリントン候補の方が多かったとはいえ選挙人の数で上回り、現行の選挙制度に基づいて当選したのはトランプさんです。
 過激で差別的な発言は選挙キャンペーン用で、当選すればまともになると見られていたフシもありました。実際には、中東6カ国からの入国制限、メキシコとの壁の建設、オバマケアの見直しなど、選挙中の公約の実現を目指して大統領令が署名されています。
 しかし、共和党主流派とのギクシャクもあっていずれも頓挫しており、支持者の期待は裏切られ続けています。政権の前途には暗雲が漂い、民主党から政権を奪い取った時点でトランプさんの役割は終わってしまったかのようです。

 イギリスとアメリカで生じた驚天動地の選択は世界を震撼させました。それぞれの国内だけでなく、世界中の人々の反発と不安を高めています。
 英国の離脱はEU崩壊と極右の台頭を懸念する人々の反発を強め、一定の揺れ戻しを生み出しました。アメリカ国内でもトランプ新政権に対する警戒と反発が生じ、支持率はかつてない低さになっています。
 公的権力の介入を排して規制緩和を推し進め、新自由主義によって貧困と格差を拡大してきた戦後政治の第2段階は、その病状を極大化させ、末期症状を呈してきているように見えます。このような「過渡期」を経て、どのような第3段階が姿を現すかが問われているのではないでしょうか。

 日本も例外ではありません。トランプ大統領は31日、日本や中国などを対象とする貿易赤字を制限する大統領令に署名しました。
 これによって保護主義的な通商政策が本格的に始動することになります。4月上旬に開催される予定の日米経済対話の中で、日本に対して厳しい要求がなされることは避けられません。
 日本でも、公的権力の介入を排して民営化や規制緩和を進め、新自由主義によって貧困と格差が広がってきました。このような戦後政治の第2段階の行き詰まりは、わが国でも明らかになっています。

 第2次安倍内閣の4年間によって、日本国民は安倍首相を選んだことがいかに間違った選択であったかを十分に学んだはずです。それはイギリスやアメリカに先んじており、アベ政治の暴走による害悪は「これから」ではなく、「これまで」も事実として積み重なってきました。
 そこからの脱出路がどこにあるのか、どのようにしたら脱出できるのかを発見し、英国民や米国民に示すのが、先んじて害悪を被って来た日本国民の責務でしょう。これこそが、通常国会後半戦における最大の課題だということになります。

 なお、4月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

4月1日(土)18時30分 船橋勤労市民センター:選挙で変える4区船橋市民の会
4月13日(木)18時30分 多摩市民館:川崎市多摩区・麻生区革新懇
4月14日(金)18時30分 全理連ビル:渋谷9条の会
4月16日(日)13時30分 新潟市ユニゾンプラザ:新潟県革新懇
4月22日(土)14時 甲府市ピュア総合(男女共同参画推進センター):山梨革新懇
4月28日(金)18時30分 八王子労政会館:八王子合同法律事務所

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3月28日(火) 森友学園問題で安倍首相を追い詰めている3つの誤算 [スキャンダル]

 これで「打ち止め」にしたいと思っていたことでしょう。そのための籠池理事長の証人喚問だったはずです。
 しかし、森友学園問題は沈静化するどころか、政権を揺るがすスキャンダルに発展しつつあります。まさに安倍首相と自民党にとっては大きな誤算であり、それは自らが掘ってしまった墓穴のようなものだったのではないでしょうか。

 第1の誤算は、2月17日の衆院予算委員会で、森友学園問題に「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」と明言してしまったことです。あんなこと言わなければよかったと、今では大いに後悔しているにちがいありません。
 森友学園への100万円の寄付は、たとえ事実だったとしても違法だというわけではありませんが、この発言があるために認めるわけにいかなくなってしまったのです。まして「総理大臣夫人付」の谷さんのファクスなど、「ゼロ回答」だとして全面否認するしかありません。
 そのために、説得力の無い言い訳を繰り返すしかなくなってしまいました。あの時のあの発言が、自縄自縛となって安倍首相をがんじがらめに縛りあげる形となったのです。

 第2の誤算は、籠池理事長の証人喚問を要求してしまったことです。「安倍晋三からです」と言って昭恵夫人から100万円を寄付されたという籠池さんの発言に逆上した安倍首相は、罰則付きの証人喚問に引きずり出して見せしめにしようと考えたのかもしれません。
 あわよくば、偽証罪で牢屋にぶち込んで口を封じ、「一件落着」に持ち込みたいと考えていたことでしょう。しかし、籠池さんの依頼を受けて昭恵夫人が「口利き」に動いていた疑いを示すファクスが公開されるなど新たな事実が飛び出し、これが逆効果になってしまいました。
 100万円の寄付については密室の中でのやり取りだから真相はやぶの中だと言われます。しかし、100万円を振り込んだ時の受け取りなどの物証はありますし、直後に昭恵さんからかかって来た「口止め」の電話についても着信履歴という物証が残っているはずですから、それが傍証になるでしょう。

 第3の誤算は、森友問題が他のスキャンダルへと飛び火してしまったことです。そのために学生時代以来の「腹心の友」である加計考太郎さんにまで疑惑が及ぶことになってしまいました。
 加計理事長の加計学園が国家戦略特区制度で愛媛県今治市に傘下の岡山理科大獣医学部を新設して公有地約37億円が無償譲渡され、昭恵夫人が系列の認可外保育施設「御影インターナショナル子ども園」の名誉園長を務めるなど「第2の森友学園問題」が国会でも問題にされています。この加計学園については、南あわじ市の吉備国際大学(加計幸太郎氏の姉の美也子さんが理事長)設立にかかわる疑惑や国家戦略特区制度を利用して水産・獣医学部を新設することを掲げている銚子市の千葉科学大学にかかわる疑惑なども浮上してきています。
 これ以外にも、ネット上では成田市国際医療福祉大学の医学部用地所得問題や全国高校生未来会議への後援など、安倍首相や昭恵夫人のお声がかりで便宜が図られたり、特別扱いされたりしたのではないかという疑惑が取りざたされています。これまで隠蔽されてきた多くの問題が、このような形で次々と明るみに出てくるようになってしまったのも、安倍首相にとっては大きな誤算だったでしょう。

 来年度予算が成立して、後半国会に入りました。これで森友問題などのスキャンダルについては幕引きを図るというのが、安倍首相や自民党の目論みだったにちがいありません。
 しかし、そうは問屋が卸すでしょうか。共同通信が実施した世論調査では、首相の説明に「納得できない」が62.6%で、「政府が払い下げの経緯などについて十分に説明していると思いますか」との問いには、「説明していると思わない」という回答が82.5%にもなっています。
 世論は、森友学園問題の幕引きを許さないでしょう。真相究明に向けての扉は、籠池理事長に対する証人喚問によって開いたばかりなのですから……。

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3月24日(金) 森友学園の籠池理事長に対する喚問によって「アッキード事件」の有力な証拠が示された [スキャンダル]

 注目の証人喚問が衆参両院で実施されました。喚問では森友学園の籠池理事長による逆襲に会い、火消しを急いだ自民党は水とガソリンを間違えてかけるというミスを犯したようです。
 「総理大臣への侮辱」への報復と懲罰として、自民党の方から実施を求めるという異例の展開でした。その結果、新たな事実が次々に飛び出し、「総理大臣夫人への疑惑」を証明する有力な証拠が示され、核心がアッキーであり昭恵夫人こそがキーマンだったことが判明するという皮肉な結果になりました。
 安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、森友学園問題に関して「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」と述べていました。昭恵夫人の関与が明らかになったのですから、その言葉通り、とっとと首相も議員も辞めるべきでしょう。

 森友学園事件が安倍昭恵総理大臣夫人に深くかかわる「アッキード事件」であることを示す有力な証拠の一つは籠池理事長の証言そのものです。籠池さんは国有地取得について政治的関与があったかどうか問われ、「あったのだろうと認識しております」と答え、昭恵夫人に“口利き”を依頼していたことを次のように述べています。

 「その土地は国有地ということで、平成27年5月29日に定期借地契約を締結しました。その土地の買い上げの条件として、10年だったものをもっと長い期間へ変更できないかとの思いから、私たちの教育理念に賛同している昭恵夫人に助けをいただこうと考えまして、昭恵夫人の携帯に電話をいたしました。平成27年の10月のことです。留守電でしたのでメッセージを残しました。すると後日、内閣総理大臣夫人付のタニサエコさんという方からご連絡いただき、『なかなか難しい』とのご返事をいただきました。平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいたファクスでは、『大変恐縮ながら現状では希望に沿うことができない。なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております』というお言葉をいただきましたが、お骨折りに感謝しておったところでございます」

 ここに出てくるタニサエコさんという人物は昭恵夫人が講演をした際に幼稚園にも同行していた「谷査恵子」さんのことで、経産省から内閣府に出向していたといいます。この人が昭恵夫人の意を受けて動いていたとすれば、関係する省庁が「籠池さんの背後には首相夫人がいる」と考え、その意を“忖度”して対応したとしても不思議ではありません。
 また、籠池理事長は小学校の開校予定地を昭恵夫人と訪れたことがあるかと問われ、「土地を見て『いい田んぼができそうですね』と昭恵夫人が話したことから、『瑞穂の國記念小學院』という名前にした」と明かしました。一緒に予定地を見に行っていていたんですね。
 先日のNNNテレビでは新設される小学校の内部の映像を放映していましたが、そこには全面ガラス張りの理事長室と共に「名誉校長室」も映し出されていました。昭恵さんの「名誉校長」は「名誉職」としての単なる肩書ではなく、専用の部屋を作るほどの実質的な意味を持っていたということになります。

 さらに、籠池理事長の妻と昭恵夫人はこの問題が明らかになってからも「2月中に22回、3月中は15〜6回」もメールをやりとりしていました。2人の関係が実に密接であったことが分かります。
 昭恵夫人からのメールのなかには「御夫妻が大変なことは想像がつきますが、主人も大変なことに巻き込まれたということも理解頂きたい」「私が関わったと言うことは裏で何かあったと思われる」など、「口止めともとれるメール」もあったといいます。このメールについては、昭恵さんサイドも籠池理事長も公開してもいいと言っていますから、どういったやりとりがなされていたのか、明らかにしていただきたいものです。
 これ以外にも、稲田防衛相とは「今回の土地の事柄につきましても、稲田龍示事務所に平成28年の1月にはご相談にいっております」という証言があり、海陽学園の推薦枠の問題に関連してJR東海の葛西敬之名誉会長(海陽学園理事長)の名前も出てきました。大阪維新の会所属の大阪府議の畠成章氏(2015年9月に死去)、日本維新の会所属の東徹参院議員、自民党の北川イッセイ元国土交通省副大臣、柳本卓治参院議員の名前も出てきており、こうした政治家たちへの追及も不可欠でしょう。

 今回の事件が「アッキード事件」であったことを示す第2の証拠は、「平成27年11月17日に総理夫人付タニサエコさんからいただいた」というファクスです。その文面は、以下のようなものでした。

 「時間がかかってしまい申し訳ございませんが、財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました。
 大変恐縮ながら、国側の事情もあり、現状ではご希望に沿うことはできないようでございますが、引き続き、当方としても見守ってまいりたいと思いますので、何かございましたらご教示ください。
 なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております。
(中略)
4)工事費の立て替え払いの予算化について

 一般には工事終了時に精算払いが基本であるが、学校法人森友学園と国土交通省航空局との調整にあたり、「予算措置がつき次第、返金する」旨の了解であったと承知している。平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中

 これは“口利き”を断ったファクスであるから、無関係を証明するものだと菅官房長官は説明しています。このやり取りは安倍夫人とではなく「夫人付き」の谷さんとのやり取りだったから、夫人は無関係だとの弁護論もあります。
 しかし、一民間人から依頼されて「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得」るということ自体が極めて異例です。しかも、その回答の内容は詳細で、国有財産審理室長が「現状ではご希望に沿うことはできない」という「国側の事情」を懇切丁寧に説明していることが分かります。
 なぜ谷さんがこのようなやり取りにかかわったのかと言えば、それは「昭恵夫人付き」であったからであり、その方に籠池さんから資料が送られたのは谷さん個人ではなく「昭恵夫人付き」の方だったからであり、国有財産審理室長が丁寧な説明を行ったのも、問い合わせをしたのが「昭恵夫人付き」の役人だったからです。その背後に、「内閣総理大臣夫人」という威光が光り輝いていたことは否定できず、まさに「安倍昭恵」という名前は「水戸黄門の印籠」のように、決定的な意味を持っていました。

 しかも、ここには「引き続き、当方としても見守ってまいりたい」と書かれています。もし、断りのファクスであれば、ただ一言、「ご期待には添えかねます」とだけ書いて送ればよかったはずです。
 ファクスの文面からは、「できれば要望に沿いたい、役に立ちたい」という気持ちがにじみ出ています。それは谷さんも籠池理事長と昭恵さんとの親密な関係を知っているからであり、昭恵さんからも「力になって欲しい」と依頼されていたからでしょう。
 このような事情は、わざわざ「なお、本件は昭恵夫人にもすでにご報告させていただいております」と書き添えてあることからも分かります。そして最後に、「平成27年度の予算での措置ができなかったため、平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と書かれていますが、その通りになりました。「引き続き」「見守った」成果が出たということではないでしょうか。

 第3の証拠は、安倍首相夫人である昭恵さんによる反論の書き込みです。昭恵夫人は籠池証人喚問がなされた3月23日の夜、自身のフェイスブックを更新して参院予算委員会の証人喚問での発言に反論しました。以下は、その書き込みの全文です。
 
 本日の国会における籠池さんの証言に関して、私からコメントさせていただきます。

1寄付金と講演料について

 私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料を頂いたこともありません。この点について、籠池夫人と今年2月から何度もメールのやりとりをさせていただきましたが、寄付金があったですとか、講演料を受け取ったというご指摘はありませんでした。私からも、その旨の記憶がないことをはっきりとお伝えしております。
 本日、籠池さんは、平成27年9月5日に塚本幼稚園を訪問した際、私が、秘書に「席を外すように言った」とおっしゃいました。しかしながら、私は、講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません。この日も、そのようなことを行っていない旨、秘書2名にも確認しました。
 また、「講演の控室として利用していた園長室」とのお話がありましたが、その控室は「玉座の間」であったと思います。内装がとても特徴的でしたので、控室としてこの部屋を利用させていただいたことは、秘書も記憶しており、事実と異なります。

2携帯への電話について

 次に、籠池さんから、定期借地契約について何らか、私の「携帯へ電話」をいただき、「留守電だったのでメッセージを残した」とのお話がありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、10年かどうかといった具体的な内容については、まったくお聞きしていません。
 籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています。その時、籠池さん側に対し、要望に「沿うことはできない」と、お断りの回答をする内容であったと記憶しています。その内容について、私は関与しておりません。
 以上、コメントさせて頂きます。
平成29年3月23日
 安倍 昭恵 

 昭恵さんは籠池さんの証言を全面的に否認しています。まさに「ガチンコ対決」であり、どちらかが嘘を言っていることになります。
 もし昭恵さんが嘘を言っているとしたら、それには「昭恵夫人付き」の2人の公務員も加担していることになります。籠池さんと昭恵さんの証言のどちらが信用できるのでしょうか。
 一方の籠池さんは、嘘をついたら逮捕されるという条件の下で証言しており、他方の昭恵さんはそのような制約や条件の無いフェイスブックでの私的な書き込みにすぎません。どちらの発言に重みがあるかは明らかです。

 籠池さんの証言を否定したいのであれば、同じ条件と誓約の下で本当のことを話すべきでしょう。フェイスブックという私的な空間での放言ではなく、国会という公的な場で籠池さんと同等の条件を付けて証言していただく必要があります。
 籠池さんの証人喚問の結果、昭恵夫人の証人喚問も不可欠になりました。嘘をついたら罰せられるという同等の条件の下で、ぜひ真実を語っていただきたいものです。

 また、この書き込みで、総務省から派遣されている公務員を「秘書」と呼んでいることにも驚きました。政府は3月14日に昭恵さんは「公人ではなく私人であると認識している」との答弁書を閣議決定したばかりではありませんか。
 その「私人」が公費で派遣されている役人を「秘書」として使っていたということになります。このような「私人」の存在が認められるのかという新たな問題も出てきます。

 さらに、「籠池さん側から、秘書に対して書面でお問い合わせいただいた件については、それについて回答する旨、当該秘書から報告をもらったことは覚えています」と述べています。「回答する」との報告があったのは、「当該秘書」がその必要性を感じたからであり、秘書の個人的な行動ではなかったからです。
 籠池さんと秘書との間には昭恵さんが介在していました。どのような指示や依頼があったのかは分かりませんが、昭恵さんには事後報告しておく必要性があると「秘書」が認識していたことは明らかです。
 さらに、「その内容について、私は関与して」いないと言いながら、「お断りの回答をする内容であった」ということだけは「記憶して」います。つまり、回答された内容について知っていたことになります。

 このような形で昭恵夫人の関与が明らかになった以上、安倍首相の責任は免れません。「私や妻は一切関わっていない。もし関わっていたら間違いなく、首相も国会議員も辞任するということを、はっきり申し上げる」という断言を撤回して陳謝するか、前言通りに潔く辞めるか、どちらかでしょう。
 そのどちらも避けるために、偽証罪で籠池さんを監獄にぶち込んで口封じし、事態の鎮静化を図るかもしれません。しかし、世論がそれを許すでしょうか。
 安倍首相は第2次安倍政権発足以来、最大の窮地に立たされてしまいました。その原因が、最も近くにいて「家庭内野党」として陰ながら首相を支えてきた昭恵さんだったというのは、まことに皮肉なことだと言わなければなりません。

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3月22日(水) 安倍政権の「狂暴化」を示す「何もしなくても捕まる」共謀罪の国会提出 [国会]

 悪いことをすれば捕まるというのが、これまでの犯罪でした。これからは、悪いことを共謀、つまり、考えたり計画したり相談したり合意したりすれば捕まるという時代になりそうです。
 テロ等準備罪という名前ですが、テロの取り締まりとは無関係です。「狂暴」な人を取り締まる法律なのでは、という誤解もありますが、安倍政権の凶暴化を示す新しい法律だというのが正解でしょう。

 政府は昨日、安倍首相が外遊中で不在であるにもかかわらず、犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案を閣議決定し、国会に提出しました。「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案という名前になっていますが、共謀罪としての本質に変わりありません。
 この法案では2人以上の計画と準備行為の段階で摘発できます。実際に犯罪が実行される以前の段階での処罰です。準備行為とは何かについて明確な定義はなく、捜査当局にどのように解釈されるか分からない心配があります。
 改正法案の目的は国連の組織犯罪防止条約の締結にあるとされています。この条約はマフィアなどの経済的利益を目的にした犯罪を対象としており、イデオロギーや民族、宗教などを背景としたテロを対象にしたものではありません。

 しかし、安倍首相は国会答弁で「東京五輪のために必要な法案だ」という趣旨の発言をしました。五輪招致の演説で、「世界で最も安全だ」と売り込んでいたのは誰だったのでしょうか。
 すでに、日本はテロ対策のために13もの国際条約を締結しており、国内法も整備されています。事実、今世紀に入って日本でのテロ事件は起きていません。
 逆に、テロ防止のためとされている国際組織犯罪防止条約を締結しているアメリカイギリスフランスなどでは、いずれも大きなテロ事件が発生しています。この逆転現象を、安倍首相はどう説明するのでしょうか。

 この法案はテロ防止とは関係なく、この法案が成立しなくても組織犯罪防止条約を締結することは可能だというのが多くの法律関係者の意見です。テロ防止を看板にしたのは国民を騙して共謀罪を新設するための誤魔化しだというべきでしょう。
 実際、「テロ等準備罪」の名前でありながら、条文の中にテロの定義も文字もありませんでした。批判されてからあわてて法案の中に「テロリズム集団」という文字を入れましたが、条文の目的にはテロという言葉は入っていません。
 しかも、この条約を結んでもテロを防止することはできません。テロの根本原因である差別や貧困、格差や憎悪などを解決することができないからです。

 それなのに何故、今になってこのような「心を取り締まる」法案を提出してきたのでしょうか。何もしなくても、目くばせしたりメールが送られてきたりしただけで犯罪に合意したことになり、実際には何も悪いことをしなくても共謀の片棒を担いだことになって捕まってしまう懸念のある法律を。
 取り締まる側の拡大解釈によって内心が取り締まりの対象となり、思想弾圧の手段として用いられるのではないかとの心配もあります。これによって正当な市民活動が委縮し、政治的社会的な運動の自主規制が始まるのではないかという懸念もあります。
 実は、ここにこそ、この法案の真の狙いがあるのではないでしょうか。これまでは不可能であった捜査対象の拡大をちらつかせながら、普通の市民を威嚇して市民活動の足を鈍らせ、運動が発展する前に芽を摘むことができるような取り締まりのための手段を整備することに。

 共謀罪は別名「平成の治安維持法」と呼ばれています。反政府的な思想や運動を取り締まった戦前の悪法の再来という本質を持っているからです。
 再びこのような法律が登場しようとしているのは、反政府的な思想や運動へと発展する可能性のある市民活動が高まってきたからではないでしょうか。派遣村の運動から始まって、脱原発運動、特定秘密保護法案反対運動、安保法制(戦争法)反対運動を経て、昨年の参院選での市民と野党の共闘など、段階を踏んで市民活動は発展を遂げてきました。
 これに待ったをかけ委縮させるための手段として共謀罪のお出ましを願おうとしているのではないでしょうか。国会では与党多数の「一強」体制で、東京五輪やテロ対策を名目にすれば成立させることは可能だと考えたのかもしれません。

 しかし、森友学園にかかわる「アッキード事件」や南スーダンの自衛隊PKOでの日報隠蔽問題などで潮目が変わりました。与党が多数に任せて強行できるような状況ではなくなってきています。
 加えて、法案自体が説得力を持たず、公明党は腰が引けており、金田法相はまともな答弁ができず、都議選を控えていて会期延長や強行採決をやりにくいという4つの弱点を抱えています。強行採決を繰り返してカジノ法案など問題法案の成立を図った昨年の臨時国会とは勝手が違います。
 審議未了・廃案に追い込むことは十分に可能です。反対運動によってどれだけ世論を変え、与党を追い込むことができるかにかかっていると言って良いでしょう。

 この法案は一般市民を対象にしていないと説明されています。ここで言う「一般市民」とは物言わぬ「従順な」市民たちであり、物言う「反抗的な」(と目される)市民たちは除外されています。
 一般市民であっても、「従順」でなくなり「反抗的」に「一変」したとみなされれば、ただちに取り締まりの対象とされるでしょう。「一変」したかどうかは、当局の判断に任されているのです。
 この法律によって、権力者にとって都合の良い「不穏な」ことは考えない市民が増え、政府に楯突けず異論も言いにくい戦前のような「治安維持」社会が実現するかもしれません。そしてそのとき民主主義は死滅し、戦争へのブレーキも失われてしまうのではないでしょうか。まさに戦前がそうであったように……。


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